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いまだから書ける業界の闇⑬衝撃のラスト!これがAV業界の裏側「だれもが汚れた手をしている」

DMMニュースR18編集部が連絡を久々に取った、とある大手AVメーカーでプロデューサーをしていた豚村温司さん。激動のAV業界で幾多の困難を乗り越えてきた彼に本サイトでコラムを書いてもらう事にした。そんな彼だから語れる昔のAV業界・・・今回で佐古編は衝撃のラストへ……向かうハズですが、やはり一筋縄で終わる訳がないわけで。とにかく最後までお読みください!それでは、どうぞ!

奥の部屋へとふたたびもどっていった佐古は、こんどはドアをぴしゃりとしめてしまったため、いまは例の酸素マスクの音もきこえず、そのうち、かろうじてかわされていた客人どおしの二言三言のひそやかな会話もとだえてしまい、いまではテーブルのうえのコップ、そのなかのビールからたちのぼる泡のはじける音すら聞こえるのではないかと思われるほど、その室内は森閑としていた。

さてどのくらいの時間がながれただろう。

さすがに出席者のだれもが、このはっちゃけることを許されない重い空気にいたたまれなくなり、だれとはなしにそろそろ退散したほうがいいのでは、そんな空気となった。

いちばん年配の技術スタッフらしき初老の男が、代表者として佐古のいる奥の部屋を小さくノックする。そしてドアから顔だけいれて、佐古に全員帰る旨を告げると、いったいなにが彼のスイッチをいれたのか、さっきまでベッド脇で物音ひとつたてなかった状態から一転、筒のなかにいれられたハツカネズミのようにあわただしく宴会場である居間と奥の部屋を行っては戻り、また戻っては行ってと、なんどもなんども往復しはじめるしまつ。

つぎにふたたび奥の部屋へともどると、床下になにかこのあと必要なものでも収納してあるのだろう、こちらに背をむけ頭を床につけ、こころもち尻をあげた回教徒の礼拝のような姿勢になってしばらくごそごそやっていたかと思うと、とつぜん立ちあがり例のトウモロコシのヒゲのような頭髪をなびかせながら、ばたばたと足音たかく短い廊下を走り、そのまま部屋をつきぬけ、さらに玄関をで、出たすぐのところの道、その側溝のところにまるでフィニッシュの姿勢をとる体操選手のようにぴたりと立った。

みるとさっきまでのグレーのセーターのうえに、地元青年団が冬の夜回り(「火の用心! カンカンッ」のあれ)のときにはおるような、袖口と、そして襟(えり)から衽(おくみ:上着の前部、幅5、6センチの部分)にかけて濃紺のラインのはいった白いハッピをはおっている。後ろには勘亭流(相撲の番付表の文字)のフォントで、「左近」と大きく、ラインとおなじく濃紺に染めあげられた文字がみえる。そして、その手には、茶封筒が何通かにぎられていた。

帰り支度をおえ外にでてきた客人一人ひとりが、口々に「よいお年を」「今年はありがとうございました」とあいさつして立ち去ろうとするところに佐古が、
「これ少ないですけど。お車代です」と手に持っていた封筒をそれぞれに一通ずつ手渡してきたのであった。もちろん豚村にも。

佐古はそうやって一人ひとりにあいさつし、全員に封筒をわたしおえるや、ほんらいならホストらしく客人らが見えなくなるまで道にたって見送るべきところ、まるで彼らからか、それとも隣り近所からかわからないが、人目をさけるよう、そそくさと家のなかへとはいっていってしまった。

さて、駅への帰り道である。

とくにだれかと会話するわけでもなく、もうそれぞれが他人同士のように三々五々最寄り駅へとむかうとちゅう、豚村はポケットからさっきもらった封筒をとりだし、その中身をたしかめてみると、一万札が2枚はいっていた。

この日が佐古とのさいごである。

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佐古はこの後どうなるの!?