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いまだから書ける業界の闇⑧監禁~暴力~闇社会のドン……はたしてカメラマンは生きて帰ってこれたのか

DMMニュースR18編集部が連絡を久々に取った、とある大手AVメーカーでプロデューサーをしていた豚村温司さん。激動のAV業界で幾多の困難を乗り越えてきた彼に本サイトでコラムを書いてもらう事にした。そんな彼だから語れる昔のAV業界・・・前回のお話では、カメラマンが監禁されて大宮まで向かった豚村さん!向かった先には何が待っていたのでしょうか!?それでは、どうぞ!

電車は大宮駅ホームへとゆっくりはいっていく。右にも左にもいくつか連なるホーム。かなり大きな駅だ。

豚村は搭乗口付近が混雑しているエスカレーターをさけ、階段をつかってのぼる。

10時すぎの駅構内は帰宅ラッシュの第2波だろうか、スーツ姿のサラリーマン、OLで駅なかや改札口付近はこの時間にしては異様なほどの人でごった返していた。

豚村は先を争うようにして改札をで地上へとむかうエスカレーターの右側を早足でかけおり、ここのまえで待つよう指定された大宮駅周辺地図の大看板のところに駆けつける。するとそこにはすでに佐古がいた。豚村をみつけた佐古はバツのわるそうな顔でペコリと頭をさげてくる。

「けっきょくどういうことなんですか。なんでそんなことに」

近づき佐古の正面に立つなり、せっかちな豚村は息つくひまなくたたみかける。

「ええまあ、それはまたあとでゆっくりと。とりあえずいまはカメラマンを――」

「ああ、そうでしたね。じゃあ、ぼくもいっしょに例の事務所に――」

「いや、それにはおよびません。わたしだけで大丈夫です。豚村さんの身になにかあったらいけませんから」

「なにかって……え? そんなにヤバい状況なんですか」

「いやいや、そんなに心配しないでください。まあ客観的にはヤバいんでしょうが、わたしにとっては、ほら、こういった修羅場はようするにプロレスのアングルみたいなもんで」

「プロレス?」

「いや、その、たいした意味はありません。ところで、あの、例の」

佐古はお金のことをうながすのだが、豚村はまるで気づかない。

「豚村さん、その、例のお金のほうは」

「ああ、そうだそうだ。これです」

ジーンズの後ろポケットから2つに折った銀行のロゴのはいった封筒をとりだし、佐古に渡した。

佐古はちらと中身を見、そしていう。

「時間かかると思うんですが、もしお待ちになるんでしたら、どこかのファミレスにでも入っていてください。もちろんおかえりになってもかまいませんが」

「いいえ、帰れませんよ。待ちます」

「そうですか。だったら、ちょっとおねがいがありまして……そうだなあ、明けて1時までにぼくから連絡がなければ、ここに電話してほしいんです」

そういって手帳に電話番号を書いてそのページを破り、豚村に手渡してきた。

090からはじまるだれか個人の番号のようである。

「警察とかじゃないんですね」

「ちがいます。警察じゃ豚村さん的にまずいでしょう。会社に知られることになるわけだし。そこまで迷惑かけられませんよ」

豚村は紙片をもういちどみる。その視線に気づいた佐古は、

「ヤナギさんじゃなくてユさんです。柳とかいてユ。ええ、あっちの人です。闇社会のドンです」

「この人に電話すれば」

「ええ、たぶんこの件も片がつくはずです。ユさんが電話にでてくれればの話ですが」

豚村は内心、そんなに簡単に片をつけてくれる人なら、なんで最初っからこの人にたのまないんだろうと思いながら、だが佐古のことだからきっとなにか考えがあってのことにちがいないと思いなおした。

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闇社会のドンの正体は明かされるの!?